飲食店の内装工事費用は、「内装グレード」「物件状態」「業態」の3要素で大きく変わります。
相場だけを基準に判断すると、想定外の追加工事が発生し、結果的に予算が当初想定より膨らむことがあります。  

本記事では、次の2点を整理して解説します。 

・飲食店の内装工事費用の相場感 

・見積時に押さえるべき実務上の判断軸 

 

追加工事などで投資額がブレないように、開業前に「費用が動くポイント」と「見積の比較条件」を整理しておきましょう。 

 

飲食店内装工事の費用構造|費用を左右する3要素 

飲食店の内装工事費用は、単一の基準で決まるものではありません。
費用が膨らみやすい背景には、複数の要素が重なり合う構造があります。 

まずは、内装工事費用を左右する代表的な3要素を整理します。 

 

① 内装グレード 

内装グレードとは、どこまで作り込むか/どこまで設備を入れるかといった、工事内容全体の水準を表す考え方です。 

具体的には、以下のような要素の組み合わせによって内装グレードは決まります。 

・床、壁、天井などの仕上げ材の仕様や施工方法 

・厨房設備の有無、規模、機器の種類 

・給排水・電気・ガス・換気など設備工事の範囲と難易度 

 

たとえば同じカフェ業態・同じ坪数であっても、

・仕上げ材を最低限に抑えたシンプルな内装 

・素材や造作(カウンター・造作壁)、照明計画まで作り込む内装 

 

では、必要な工事量や工数は大きく異なり、費用にも差が出ます。 

相見積もりで比較するなら、「見積に含まれる範囲(造作/設備/設計・管理)」を先に揃え、同じ条件で“仕様だけ”を比べるのが安全です。 

 

② 物件状態(居抜き/スケルトン) 

物件状態は、内装工事費用に最も影響する要素の一つです。
特に「居抜き物件」か「スケルトン物件」かによって、初期費用の考え方は大きく変わります。 

物件状態 特徴 費用面の傾向
居抜き物件 既存の内装や設備を活用できるため、工事範囲を限定しやすい 初期費用を抑えやすい
スケルトン物件 内装・設備を一から構築でき、設計自由度が高い 費用は高めだが自由度が高い

 

居抜き物件は、既存設備を流用できれば工事範囲を限定できます。
前テナントと業態が近い場合、厨房設備をそのまま使えるケースもあります。 

スケルトン物件は、初期コストは高くなりやすいものの、レイアウトや動線を自由に設計できる点が特徴です。 

 

初期費用を抑えたいのか、将来を見据えた設計を優先するのか。
この判断が、物件選定と工事費用の分かれ目になります。 

なお居抜きでも、設備の劣化・容量不足・法令対応(換気/消防)次第で、スケルトン同等に近づくことがありますのでご留意ください。 

 

③ 業態(軽飲食/重飲食) 

飲食店は、業態によって必要な設備条件が大きく異なります。そのため、内装工事費用にも明確な差が生じます。 

 

特に影響が大きいのが、以下の設備要件です。 

・厨房設備の規模・種類 

・給排水・ガス容量 

・換気・排気の性能要件 

 

軽飲食(カフェ・テイクアウト中心)では内装仕上げの比重が高くなりやすい一方、重飲食(焼肉・中華など)では、換気や給排水といったインフラ工事が費用を左右します。 

このように、業態によって「デザイン費が効くのか」「設備費が効くのか」が異なるため、内装工事費用は一律の相場では判断できません。 

 

飲食店の内装工事の坪単価・金額相場の目安 

飲食店の内装工事費用は、物件条件によって坪単価の目安が大きく異なります。
ここでは、代表的な条件別に、内装工事費用の考え方を整理します。 

 

なお、以下で示す金額は、飲食店内装工事における一般的な検討レンジを整理した目安であり、実際の費用は物件状態、設計内容、設備条件によって変動します。 

 

物件条件別|内装工事費用の目安(坪単価) 

物件条件 特徴 内装工事費用の目安(坪単価) 費用の考え方
居抜き物件 内装・設備が残っている 約50万〜100万円/坪
※既存設備の活用度による
設備を流用できる場合は、工事範囲を限定しやすく費用を抑えやすい
スケルトン物件 内装・設備が未施工 約100万〜150万円/坪
※設備工事・造作工事を含む
内装・設備を一から構築するため、費用は高めになりやすい

※上記は一般的な目安であり、立地・業態・設備仕様によって変動します。

 

居抜き物件の場合の坪単価・費用目安 

居抜き物件では、既存の内装や厨房設備を活用できる場合、内装工事費用を抑えられる可能性があります。 

一般的な目安 

・坪単価:数十万円台から検討されるケースが多い 

・対象:前テナントと業態が近い場合、設備流用が可能な物件 

 

前テナントが飲食店で、厨房設備や給排水が現行基準を満たしていれば、内装仕上げ中心の工事で済むケースもあります。 

 

一方で、以下のような場合は注意が必要です。 

・厨房設備や配管の老朽化が進んでいる 

・レイアウト変更に伴い設備位置を大きく変更する 

・保健所・消防の確認事項(用途、設備、内装制限など)に照らして、追加対応が必要になる可能性 

 

これらに該当すると、想定以上の追加工事が発生する可能性があります。
契約前に設備の状態を確認し、修繕・更新費用を含めた見積もりを取ることが重要です。 

 

スケルトン物件の場合の坪単価・費用目安 

スケルトン物件では、内装や設備を一から構築する必要があるため、坪単価は居抜き物件より高くなる傾向があります。 

一般的な特徴 

・内装、厨房、設備工事をすべて新設 

・初期投資は大きいが、設計自由度が高い
 

厨房動線や客席レイアウトを業態に合わせて最適化できるため、オペレーション効率や将来的な改装のしやすさを確保しやすくなります。 

そのため、スケルトン物件では、初期費用の大小だけでなく、長期的な使いやすさとのバランスが判断ポイントになります。 

短期回収を重視するのか、長期運営を前提に設計投資を行うのか。この視点を持って坪単価を捉えることが重要です。 

 

物件選定段階での確認が、工事費用のブレを抑える 

居抜き・スケルトンいずれの場合も、物件選定の段階で設備やインフラの状態を把握できているかどうかで、内装工事費用のブレは大きく変わります。 

実務では、 「安そうだと思って決めた物件で、後から追加工事が発生した」というケースを避けるため、契約前に専門家の視点で確認する企業も少なくありません。 

 

B.C.Worksでは、候補物件について建物構造や給排水・電気・ガスなどの設備インフラを整理し、内装工事費用の見通しを立てるための事前調査を無償で実施しています。 

物件選定に迷いがある場合は、判断材料を整理する一つの方法として、専門家の視点を取り入れるという選択肢もあります。

 

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【業態別】飲食店内装工事の注意点 

飲食店の内装工事は、業態によって費用がかかるポイントが大きく異なります。
同じ坪数であっても、重視すべき工事項目が違うため、業態ごとの特性を理解したうえで計画を立てることが重要です。 

ここでは、代表的な業態別に内装工事の注意点を整理します。 

 

カフェ・軽飲食の場合 

カフェや軽飲食では、客席の雰囲気や内装デザインが重視されやすい業態です。
一方で、厨房設備は比較的コンパクトなため、内装仕上げにかかる費用の比重が高くなりやすい点が特徴です。 

注意すべきポイント 

床、壁、照明など、意匠性の高い仕上げが増えやすい 

・デザイン優先でコストが膨らみやすい 

 

カフェでは照明計画や素材選定にこだわることで、厨房規模は小さくても内装工事費用が想定以上になるケースがあります。 

デザインの優先度と予算のバランスを、早い段階で整理することが重要です。 

 

カフェの内装工事の費用や最新トレンドについて、『カフェの内装で重要なポイントは?費用やおしゃれに見せるポイントも解説』にて解説しております。

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居酒屋・バーの場合 

居酒屋やバーは、設備条件によって追加工事が発生しやすい業態です。
特に、排気・防音・火力対応などの設備要件が、費用を左右します。 

注意すべきポイント 

・強い臭いや煙に対応する排気計画 

・近隣対策としての防音工事 

・高火力調理に対応する設備容量 

 

換気計画が不十分なまま開業すると、営業開始後に排気改善工事が必要になるケースもあります。 

初期段階で設備条件を整理し、後戻り工事が発生しないよう注意が必要です。 

 

レストラン(重飲食)の場合 

重飲食では、厨房設備や給排水・ガス工事が内装工事費用の中心になります。
内装デザイン以上に、設備計画の精度がコストと運営効率を左右します。 

注意すべきポイント 

・厨房機器の規模と配置 

・給排水・ガス容量の確保

・動線設計によるオペレーション効率 

 

厨房動線を考慮せずに設計すると、調理効率が下がり、結果的に改修工事が必要になることもあります。 

重飲食では、見た目よりも設備計画を優先する視点が重要です。 

 

内装工事の流れと工期の目安 

飲食店の内装工事は、工程ごとに確認すべきポイントが異なります。
流れを理解せずに進めると、工期延長や追加費用につながる可能性があります。 

ここでは、一般的な内装工事の流れと、各工程で注意しておきたいポイントを整理します。 

 

① 物件決定〜設計・見積もり 

物件が決定した後は、現地調査を行い、設計内容の検討と見積もりを進めていきます。 

この段階は、内装工事費用と工期を左右する最重要フェーズです。 

この工程で整理しておくべき主な項目 

・建物構造や設備インフラ(給排水・電気・ガス)の状況 

・業態に必要な厨房設備や換気条件 

・保健所・消防対応の前提条件 

 

設備容量や排気条件を十分に確認せず設計を進めると、着工後に仕様変更が発生し、追加工事につながるケースがあります。 

前提条件を初期段階で整理しておくことが、後工程での費用増加を防ぐポイントになります。 

 

② 着工〜引き渡しまで 

設計と見積もりが確定した後、着工に進みます。
着工後は、設備工事と内装工事を並行して進めるのが一般的です。 

この工程では、想定外の変更が工期に影響しやすい点に注意が必要です。 

工期が延びやすい主な要因 

・着工後の追加仕様やレイアウト変更 

・設備条件の見落としによる再施工 

・資材調達や施工スケジュールの調整遅れ
 

具体的には、着工後に厨房機器の追加や配置変更が発生すると、配管・配線のやり直しが必要になり、工期が延びることがあります。 

そのため、着工前に仕様をできるだけ固めておくことが、スムーズな引き渡しにつながります。 

 

より具体的な内装工事の流れについて、『内装工事とは?工事の種類から費用相場・業者選びまでわかりやすく解説』の「内装工事の流れ|企画から施工・引き渡しまでのステップ」にて解説しております。

内装工事とは?工事の種類から費用相場・業者選びまでわかりやすく解説を読む

 

見積もりで失敗しないためのチェックポイント 

飲食店の内装工事では、見積もり段階での判断ミスが、そのまま追加費用や工期延長につながるケースが少なくありません。 

ここでは、見積もりを比較・検討する際に、最低限押さえておきたいチェックポイントを整理します。 

 

相見積もりで見るべきポイント 

相見積もりを取る際は、金額だけで判断しないことが重要です
工事範囲や前提条件が揃っていなければ、正確な比較はできません。 

相見積もりで確認すべき主な項目 

・工事範囲(どこまでが見積もりに含まれているか) 

・設備工事・内装工事の内訳 

・設計・管理費の有無 

・前提条件(居抜き設備の流用範囲など)
 

一例として、一方の見積もりに厨房設備工事が含まれておらず、もう一方には含まれている場合、金額差だけでは判断できません。 

相見積もりでは、条件を揃えたうえで比較する視点が不可欠です。 

 

追加工事が発生しやすいケース 

追加工事は、事前確認の不足によって発生することが多い傾向があります。
特に、設備条件や法令対応の見落としは典型的な要因です。 

追加工事が発生しやすい主なケース 

・給排水・電気・ガス容量の確認不足 

・換気・排気計画が保健所基準を満たしていない 

・消防対応(内装制限・防災設備)の見落とし
 

着工後に排気能力が不足していることが判明すると、ダクト工事の追加が必要になり、工期と費用が膨らむことがあります。 

見積もり段階でリスクを洗い出しておくことで、後戻りコストを防ぎやすくなります。 

 

ワンストップで進める内装工事という選択肢 

飲食店の内装工事を設計・施工・物件調整を分けて進める場合、情報の分断が起こりやすくなります
その結果、判断のズレや想定外の追加コストにつながるケースも少なくありません。 

ワンストップで進めることで、物件条件・設計内容・施工範囲を一貫して整理でき、意思決定のズレや無駄な工事を抑えやすくなります 

特に、設備条件や法令対応が絡む飲食店では、工程ごとの情報連携が重要な判断軸になります。 

 

B.C.Worksが支援できる範囲 

飲食店の内装工事では、設計・施工が分断すると、設計時点で前提にしていなかった施工制約(設備容量、現場条件、法令対応など)が後から判明し、追加工事につながることがあります。 

こうしたリスクを避けるため、物件条件・設備制約・運営動線を初期段階でまとめて整理する進め方を選ぶ企業もあります。

 

B.C.Worksでは、物件調査から設計・施工までを一貫して整理し、後工程での判断ズレや追加工事が生じにくい内装計画を支援しています。 

無理に進め方を決める必要はありませんが、「後から想定外が出ないか」を確認する一つの選択肢として、専門家の視点を取り入れる方法もあります。 

 

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まとめ|飲食店内装工事は「相場理解+判断軸」が重要 

飲食店の内装工事費用は、坪単価だけで一律に判断できるものではありません。
物件状態や業態、設備条件によって、必要な工事内容や費用構成は大きく変わります。 

そのため、相場感を把握するだけでなく、「自店舗の場合、どこに費用がかかりやすいのか」という判断軸を持つことが重要です。 

 

相場を理解したうえで、物件条件や運営方針に合った進め方を検討することで、無理のない投資判断と、後戻りの少ない内装計画につながります。 

こうした判断を実務で形にしていく際には、「誰が、どの立場で内装工事を設計・進行するか」という点も重要な判断軸になります。 

 

飲食店の内装工事は、デザインと施工の分離発注でも進められはしますが、関係者が増えるほど前提条件の共有漏れが起きやすく、結果として手戻りや追加工事につながることがあります。 

そのため、物件条件・設計・施工を一気通貫で整理したい場合は、ワンストップで対応可能な会社に依頼するのも有効な選択肢です。 

 

B.C.Worksは、飲食店を中心に内装デザイン設計から施工までを一貫して手がける会社です。設計段階から施工条件を踏まえて検討し、イメージと現実のズレが生じにくい店舗内装を目指します。
また画一的なパッケージではなく、物件条件と運営方針に合わせて最適な設計・施工条件を整理し、持続可能な店舗経営を支援します。 

新店舗のコンセプトやブランディング設計からのご相談も可能です。
内装にこだわった飲食店の出店を検討されているオーナー様は、まずは情報収集の一環として、初期段階の考え方を整理するところからご相談ください。 

設計から施工まで見据えた内装計画の相談をする 

 

ご相談前によくいただく質問を、下記にまとめています。 

B.C.Worksに関するよくあるご質問