スイーツ店の内装設計と成功の秘訣|定番から差別化戦略まで網羅的に解説
スイーツ店の内装設計と成功の秘訣|定番から差別化戦略まで網羅的に解説
Column
2025.05.26

スイーツ店を開業するにあたり、美味しいスイーツを提供することはもちろん欠かせませんが、集客やリピートを促すためには「内装の力」が極めて重要です。
店内の雰囲気が「スイーツ映え」を生み、SNSでの拡散や来店動機に直結するからです。
たとえば「ラグジュアリー空間」や「和スイーツのお店」など、コンセプトに即した内装デザインはブランド価値を高め、他店との差別化を図る有効な手段です。
本記事では、スイーツ店舗デザインの基本から内装工事の費用、事例、業者選びの方法まで詳しく解説します。
内装が集客とブランディングに果たす役割
SNS映えとブランディング効果
スイーツ店の内装デザインは、単なる見た目の演出ではなく、店舗の第一印象を左右し、ブランド価値を体現する重要な要素です。
とくにスイーツという嗜好性・ビジュアル性の高い商材を扱う店舗においては、空間デザインがスイーツの魅力を視覚的に引き立てる効果を持ちます。
近年は「スイーツ映え」がSNSを中心に強い拡散力を持つため、インスタグラムやTikTokなどでシェアされやすい内装が、集客の起点となっています。
具体的には、以下のような要素が効果的です。
・スイーツの色合いと調和した壁面アクセントカラーの採用
・インテリアスイーツを活用した立体感のあるフォトスポットの設置
・間接照明やスポットライトによる商品と空間のコントラスト演出
・「スイーツ壁面」として使える撮影用背景パネルの設計
・外装から店内への視線導線を意識したショーケースの配置
こうしたデザインを意図的に組み込むことで、来店した顧客自身が“広告塔”となり、SNS上での拡散を通じて自動的に認知が広がる「無料のプロモーション」が期待できます。
また、「スイーツショップ デザイン」や「インテリア スイーツ」というキーワードで検索した際の視認性を高めることにもつながります。
ブランディングの観点からは、内装全体を構成する各要素(色調、素材、照明、配置、BGMまで)を店舗の世界観と一貫性を持たせることが極めて重要です。
例えば、無添加素材にこだわるスイーツ店であれば、無垢材や漆喰など自然素材を基調とした「無添加スイーツ店」らしい内装設計が信頼性を高め、ブランドへの共感を生みやすくなります。
また、店舗のないスイーツブランド(いわゆる「オンライン限定店」)でも、催事・ポップアップ出店時にこのような世界観を再現できるよう、可搬式の壁面装飾や看板什器などをあらかじめ設計しておくのが、現代的な施工手法として推奨されます。
安心感と信頼性の向上
スイーツ店は食品を扱う以上、「飲食店」として保健所の指導基準をクリアしつつ、消費者に衛生面の安心感を与える必要があります。
とくに製造スペースである「厨房」エリアについては、内部の清潔感が外部から視認できるように設計することで、信頼性を高めることが可能です。
設計の工夫としては、以下のような手法が挙げられます。
・厨房をガラスパーティションで仕切り、清潔な作業風景を“見せる”設計とする
・壁面や床材は抗菌・耐油性に優れた建材を使用し、視覚的にも清潔感を演出
・HACCP(ハサップ)対応のゾーニングを参考に、手洗い動線や食材導線を分離して配置
・オープンキッチン形式にする場合は、照明の色温度を調整し、明るく清潔に見せる演出が効果的
・また、店舗開業後も清掃のしやすさやメンテナンス性が求められるため、
「壁面にホーローパネルを使用」「床はノンスリップタイプの塩ビタイルを採用」など、
施工段階で長期的な衛生維持を見越した素材選定が重要です。
「ウチカフェスイーツ製造」のようなOEM型店舗や、「無人スイーツ店」のようにスタッフの常駐しない業態であっても、見える部分の整理整頓や厨房の動線管理が徹底されていれば、ユーザーからの安心感は大きく高まります。
このように、内装は単なるデザインの問題にとどまらず、集客・ブランディング・信頼構築という複数の要素と直結しており、スイーツ店成功の鍵を握る最重要項目の一つと言えるでしょう。
スイーツ店舗デザインの基本ポイント 
スイーツ店における内装設計の出発点は、明確なコンセプト設定です。
スイーツは嗜好性・感性に訴える商材であるため、世界観の演出が店舗の価値を左右します。
どのような雰囲気で、どのような顧客体験を提供するのかを明確にし、それを内装・外装・商品に一貫して反映させることが重要です。
たとえば、以下のような代表的な店舗コンセプトと、それに最適な内装の方向性があります
和スイーツのお店
「和モダン」や「数寄屋造り風」など、自然素材(無垢材、漆喰、和紙)を活用し、直線的かつ水平ラインを意識した設計に。
間接照明や低照度のスポット照明で落ち着きと余白を演出。
フェイクスイーツ店(ファンタジー系)
ビビッドな配色、曲線の什器デザイン、装飾パネルやアートウォールなどを組み合わせ、視覚的インパクトを重視。
造作什器やフォトスポットを導入することで「スイーツ映え」効果も狙える。
無機質カフェ内装
グレー系モルタル仕上げ、アイアン素材、マットな質感を基調とし、直線と余白で構成された空間。
必要最低限の装飾とすることで、商品が引き立つ“静かな背景”を形成。
ラグジュアリー空間
鏡面仕上げのタイル、大理石調カウンター、ゴールドの間接照明などを採用。
素材と照明計画の組み合わせで、高級感と非日常性を演出し、客単価の向上につなげる。
これらの内装スタイルは、スイーツ個人店からスイーツ直営店まで幅広い業態に応用可能です。
また、お店を持たないスイーツブランドであっても、期間限定ショップや展示会などのポップアップ空間で同様の演出が求められます。
移動可能なバックパネルや自立式の装飾什器を用意すれば、短期イベントでもコンセプトを明確に伝えることができます。
重要なのは、単におしゃれに見せるのではなく、「店舗体験=ブランド体験」となるように、空間が商品の世界観と一致していること。
コンセプトはデザインの設計書であり、これがブレてしまうと集客効果・購買行動に直接的な悪影響を与えます。
外装・看板・商品と統一感を持たせる
内装デザインの設計と並行して検討すべきなのが、外装・ファサード・看板との一貫性です。店舗のファーストインプレッションは「外からの見え方」によって決定づけられます。
通行人が足を止め、入店するかどうかを判断するのは、内装そのものよりむしろ外観や店頭の雰囲気です。
たとえば、以下のような要素の統一を意識することで、来店時の“期待感”と“現実”とのギャップを減らすことができます。
看板と内装のカラースキーム統一
木目調の看板でナチュラル感を出すなら、店内も木材を基調に設計することで一貫性を確保。
逆に金属系の無機質なロゴサインであれば、内装にもスチールフレームやモルタル調塗装を使うとよいでしょう。
照明と素材感の連動
外部照明の色温度(例:電球色や昼白色)と、店内照明のトーンが異なっていると、入店時の違和感につながります。
また、外部サインの素材(アクリル、木、アルミ)と什器やカウンターの素材感が一致していると、ブランドとしての完成度が格段に上がります。
ディスプレイと商品の関係性
店頭のガラス越しに見える「ショーケース」や「商品ディスプレイ」もまた、店舗デザインの一部です。
とくに「スイーツ包装」や「焼き菓子屋 内装」においては、商品パッケージの色や形と陳列什器の素材が調和していることが視覚的訴求力を高めます。
外装から内装、そして商品陳列までを一つのストーリーとして設計することが、現代のスイーツ店づくりでは必須です。
こうした「視覚導線」「素材の統一」「世界観の一貫性」が保たれていることで、お客様の滞在時間は自然と長くなり、購買率にも好影響を与えます。
店内レイアウトと必要な設備・スペース設計
スイーツ店の店内レイアウト設計では、「視認性・動線・清潔性・演出性」という4つの観点を総合的に考慮する必要があります。
限られたスペースであっても、商品の魅力を最大限に伝え、効率的な動線と設備配置を確保することで、集客力と業務効率を高めることが可能です。
商品の魅力を最大限に引き出す陳列
商品を“映えさせる”レイアウト設計は、スイーツ店における最重要課題の一つです。
来店客が一目で商品の特徴や世界観を感じられるような配置と演出が求められます。
・ショーケース
メイン商品のケーキ類や冷菓は、道路側からの視認性を高めるため、ガラス面に向けて配置するのが効果的です。
とくに「駅ナカスイーツ 出店」のような短期型・高回転型業態では、動線設計と視線誘導が売上を大きく左右します。
入口から1.5〜2mの位置に配置し、正面性を意識することで通行人の足を止める導線が形成されます。
・棚・平台
焼き菓子やギフトアイテムなどの常温商品は、通路脇や壁面を活用した棚や平台に陳列します。
複数棚を配置する場合には、視線の流れを意識した「Z型配置」や「三角構成」など、
VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の理論に基づいた配置を意識することで、購入率を高めることが可能です。
・照明設計
温白色(色温度:3500K前後)のLED照明を用いると、スイーツの色味がより自然に、美味しそうに映ります。
間接照明を併用することで光の柔らかさと高級感を演出でき、また冷蔵ショーケース内部にはスポットライトを設け、商品の奥行きと艶を強調することも有効です。
特に「フェイクスイーツ店」や「ニッチデザート専門店」では、照明がデザインの一部となるケースが多いため、演出性も考慮して計画しましょう。
厨房とバックヤードの設計
製造スペースである厨房と、ストックヤードやスタッフ動線を含むバックヤードの設計は、業務効率と衛生管理の両立が求められる重要なゾーンです。
・厨房の必須設備
オーブン、業務用ミキサー、冷凍冷蔵庫、ショックフリーザー、シンク、作業台などの基本機器に加え、ケーキ仕上げに特化したパティシエ用冷蔵作業台などを導入するケースもあります。
動線の基本は「一方向フロー(汚染→非汚染)」で、原材料の搬入から製造、出庫までの動きが交差しないようにゾーニングすることが衛生上も有効です。
・衛生ゾーニングと法令対応
厨房は、食品衛生法や菓子製造業の基準に適合した設計が必要です。
手洗い設備の位置、原材料と完成品の交差汚染防止のためのパーテーション、排水傾斜など、細かな点にも配慮が求められます。
また、「菓子製造業許可」を取得するには、厨房を店舗スペースと物理的に明確に区画する必要があり、ガラス間仕切りや建具による区分が一般的です。
・バックヤード機能の確保
材料保管庫(常温・冷蔵・冷凍)、包装作業台、スタッフロッカー、ゴミ保管室などの確保も重要です。
とくに「店舗を持たないスイーツ」事業者が委託製造拠点を設ける場合、製造効率とメンテナンス性を両立させた設計が収益性に直結します。
イートインスペースの導入と注意点
スイーツを「その場で楽しむ」需要は年々高まっており、イートインスペースの設置は客単価を引き上げる有効な手段です。
しかし、それに伴い設計や施工における検討事項も増加します。
・導入のメリット
購入後すぐにスイーツを楽しんでもらうことで、写真撮影・SNS拡散が促進されます。
さらに、ドリンク提供などを加えることで、セット販売による客単価の上昇が見込めます。
特に「和スイーツデザイン」など落ち着いた空間を提供する場合には、滞在価値を演出しやすくなります。
・導入のデメリットと対策
イートインスペースは厨房以外に手洗い・給排水・換気設備が必要になり、工事費用が上昇します。
また、厨房やレジ、客席の動線が交錯するとオペレーションに支障が出るため、事前の動線設計が必須です。
座席間の距離は80〜90cm、通路幅は最低60cm以上を確保するのが望ましいとされます。
・見せる厨房と演出型スペース
「無添加スイーツ店」など素材や製法へのこだわりを打ち出す店舗では、厨房をあえて“見せる”設計とすることでブランド価値を演出することができます。
店舗中央にオープンキッチンを設ける「シアター型厨房」や、窓越しに作業風景を見せる「ライブ厨房」が好例です。
内装成功事例で見るスイーツ店の差別化戦略
Age.3 銀座店— 無機質空間で商品と人を際立たせる戦略
福岡の人気フルーツサンド店「THREE」が手掛ける新業態「Age.3(アゲサン)」は、2023年12月に東京・銀座に出店しました。
この店舗は、揚げパンにホイップクリームやフルーツを挟んだ「揚げサンド」という新感覚スイーツを提供し、SNSでも話題となっています。
内装デザインはB.C.Worksが担当し、インダストリアルモダンをコンセプトに据えました。
シルバーとグレーを基調とした無機質な空間に、厨房機器をあえて露出させることで、商品のカラフルさとスタッフの動きを際立たせています。
照明には色温度10,000K以上の調色を採用し、クールで洗練された雰囲気を演出しています。
このようなデザインは、限られたスペースでも効果的にブランドの世界観を表現し、商品の魅力を最大限に引き出すことができます。
また、厨房の見える化により、清潔感と信頼性を高める効果も期待できます。
詳細な内装デザイン事例については、以下のリンクをご参照ください。
>>Age.3 銀座店|スイーツショップの内装デザイン・施工事例|B.C.Works
まとめ:スイーツと空間を融合させる内装戦略
スイーツ店の内装は、単に装飾的な要素にとどまらず、商品価値やブランドイメージ、ひいては来店動機そのものに影響を与える「売上をつくる空間」です。
ケーキや焼き菓子といった感性商材は、視覚によって“味覚以上”の体験を喚起させるため、空間設計とスイーツの相乗効果が極めて重要です。
B.C.Worksは、お客様のビジョンを実現する内装デザインを提供します。
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