店舗内装工事の手順・内容まとめ|飲食店計画のポイントも紹介
店舗内装工事の手順・内容まとめ|飲食店計画のポイントも紹介
Column
2024.12.19
店舗の内装を新しくする場合、適切な工事を行う必要があります。そこで本記事では、主な手順や工事内容についてご紹介します。特に飲食店計画で注意するポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
店舗内装工事計画の手順
ここではまず、店舗内装工事計画の手順についてご紹介します。基本的な流れを理解しておくことで、スムーズに計画を進められます。
依頼業者を選ぶ
内装工事業者は数多く存在するため、まずは業者選びを行います。ウェブサイトや実績・口コミ・レビューなどを確認して、信頼できる業者を絞り込みましょう。飲食店の内装に特化した業者であればコンセプトに合った提案が可能な場合が多いので、過去の施工事例を確認することが大切です。
また複数の業者から見積もりを取り、比較することも重要です。業者ごとに工事の提案内容や費用に差が出るため、最適な選択がしやすくなります。見積もりの際には、内装のデザイン・使用する素材・施工スケジュールなどの詳細を正確に伝えることで比較が簡単になります。
打合せ・契約
業者がある程度選定できたら、具体的な打合せを行います。店舗のコンセプトや内装デザインの希望・予算・工期などの要望を具体的に伝えましょう。もし明確なイメージが固まっていない場合でも、業者側からプランを提案してもらえることが多いです。図面や3Dパース(完成イメージ図)を使いながら、店舗のレイアウトや内装の細部について打合せを行います。座席配置・照明の位置・素材や色使いなど・店の雰囲気や機能性に関わる要素を調整し、デザインや工事の内容の方向性を定めていきます。
そしてデザイン案に基づき、見積もりを詳細に確認しましょう。項目ごとの費用や内訳を確認し、追加工事やオプションが含まれているかどうかもチェックします。予算オーバーの場合、削減できる部分や優先順位を再調整し、費用とプランのバランスを取り直すことも可能です。さらにスケジュール等の最終確認を行い、問題が無ければ契約となります。特に飲食店の場合は、開業予定日やオープニングイベントに間に合うように計画を進める必要があるため注意しましょう。
店舗内装工事
契約後に、店舗内装工事がスタートします。工事内容は個々の案件によって様々ですが、既存内装の解体や下地工事、内装工事といった内容が含まれることが多いです。事前に施工スケジュールが決定され、作業計画に従って工事が進められます。詳しい工事の内容については後の項でご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
引き渡し
工事が完了した後、お施主様と施工業者が工事内容を最終確認します。内装の仕上がりや設備の動作確認、法規制に準拠した施工が行われているかをチェックしましょう。問題なければ、必要な書類(保証書や工事完了報告書など)にサインします。この段階で引き渡しとなり、内装工事が完了となります。
もし不具合があれば、その場で指摘して修正を依頼します。特に照明や配管、電気設備などの動作確認は細部までチェックするようにしましょう。また工事に対するアフターケアや、万が一のトラブルに対してどのように対応してもらえるかを明確にしておくことも重要です。そして引き渡し後にすぐ開店準備に入れるよう、備品や家具、厨房設備の搬入スケジュールを事前に調整しておくとスムーズです。
店舗内装工事に含まれる内容
ここでは、一般的な店舗内装工事に含まれる内容についてご紹介します。ただし具体的な工事内容は案件によって違いが生じるため、実際の工事内容については業者に見積もり依頼を取るのが確実です。
軽鉄(けいてつ)工事
軽鉄工事とは、軽量鉄骨を使って骨組みを作る工事です。これは壁や天井の下地を補強する役割があり、強度を確保しつつ軽量で扱いやすいのが特徴です。ただし設計図に従って正確に施工することが重要で、特に配線や設備との干渉には配慮が求められます。
ボード工事
ボード工事とは、軽鉄工事で作られた下地に石膏ボードや耐火ボードを貼り付ける工事のことを指します。これにより内装となる壁や天井を形成するのが目的で、断熱や防音効果も期待できます。ただし継ぎ目や固定に不備があると仕上げに影響を与えるため、施工の精度が求められます。また飲食店の場合には、防火基準を満たす素材を使用することが重要です。
クロス工事
クロス工事とは、壁や天井に壁紙(クロス)を貼る工事です。クロスは色やデザインが豊富で、飲食店の雰囲気を大きく左右します。下地の平滑さがクロスの仕上がりに影響するため、まずは下地調整をしっかり行うことが重要です。また湿気の多い場所には、防水性のあるクロスを使う等の配慮を行いましょう。
左官工事
左官工事とは、セメントや漆喰、モルタルで壁や床を塗り固める工事です。自然素材を使うことが多く、独特の風合いが演出できるのが特徴です。飲食店では、厨房の床にモルタルを流し込んで固める作業もこちらに該当します。ただし乾燥時間が必要で湿度や気温の影響を受けやすいため、施工タイミングを慎重に計画することが求められます。
床仕上げ工事
床仕上げ工事は、フローリングやタイル、カーペットなどの床材を仕上げる工事です。 店舗の用途に応じて、耐久性やメンテナンスのしやすさを考慮した床材を選ぶ必要があります。特に水回りや厨房では、防水性や耐久性を備えた仕上げにするようにしましょう。
塗装工事
塗装工事とは、壁や天井、木部、金属部を塗料で仕上げる工事です。防水性や防錆性を高めたり、見た目を整える役割があります。 下地処理が不十分だと塗装の剥がれやムラが発生しやすくなるため、準備を徹底することが重要です。また塗料のにおいやツヤの有無等、内装に適した塗料を選ぶ必要があります。
木製・金属建具工事
木製・金属建具工事とは、ドアや窓枠などの建具を取り付ける工事です。木製や金属製の素材を使い、機能性とデザイン性を両立させます。開閉のスムーズさや耐久性を確保するため、正確な取り付けと調整が求められます。また店舗の雰囲気に合わせて、防音や断熱効果も考慮しましょう。
家具工事
家具工事は、造作家具やカウンター、棚などを設置する工事です。大きさやデザイン等、店舗のコンセプトに合わせたデザインが求められます。店舗の印象を左右するポイントなので、使いやすさや耐久性を重視した設計が必要です。厨房や収納スペースでは、機能性を優先して計画しましょう。
飲食店の内装工事計画のポイントは?
ここでは、飲食店の内装工事計画を行う際のポイントについてご紹介します。特に飲食店では火気や食品を扱うため、安全や衛星に関する内装には注意が求められます。計画段階でしっかりと配慮しておくことで、お客様満足度の高い飲食店が作りやすくなるのです。これから新規開業や改装を検討されている方は、参考にしてみてください。
内装制限を順守する
飲食店では厨房で火気を使用するため、内装制限の対象となる場合があります。そのため法規制や安全基準に従って、適切に設計・施工を行う必要があるのです。具体的には、天井や壁の素材を難燃材料や準不燃材料といった素材にする規定があります。規定を無視した計画だと、後で改修工事や営業許可が下りないリスクがあるため注意しましょう。
換気・排煙設備工事に力を入れる
飲食店では調理によって発生する煙、臭い、湿気などが、衛生面や快適性に影響を与えやすいです。そのため、適切な換気と排煙のシステムを整備するようにしましょう。具体的には、排煙フードやダクトを設置します。特に焼き物や揚げ物が多い店舗では大量の煙や油煙が発生するため、強力な排煙設備が求められます。ただしダクトの配置は煙がスムーズに外へ排出できるよう計画し、排煙が近隣住民や店舗に影響を与えないようにすることが大切です。
また客席エリアでも、換気が重要です。常に新鮮な空気を供給することで、快適な空間を維持します。また、ウイルスやホコリの拡散防止にも役立ちます。特に窓が少ない店舗や地下にある飲食店は、計画的な換気システムが必要です。空気の滞留を防ぐために吸気口と排気口を適切に配置し、効率よく空気を循環させましょう。その際、消防法や建築基準法に定められた規定を守るようにしましょう。
設備のメンテナンスを怠ると、換気効率が低下してさらなる問題を引き起こすため、定期的な点検や清掃についても計画段階で考慮することが必要です。こういった点を重視して換気・排煙設備工事を行うことで衛生的かつ快適な店舗環境を維持でき、長期的な運営にも良い影響を与えます。
衛生面に配慮した内装材を選ぶ
飲食店は食品を扱うため、特に衛生管理が重要です。そして内装材の選定は、店舗の運営に直接影響を与えます。特に厨房や水回りは水分や油による汚れが頻繁に発生するため、耐水性の高い素材を選ぶことが必要です。例えば、タイルやステンレスなどがよく使われます。こういった素材は水に強く、カビや腐食のリスクを低減します。
また客席の床や壁も汚れやすい環境にあるため、掃除しやすい耐水性の高い素材を選ぶことで清掃の手間を減らせます。特にファミリー向けの飲食店等は、料理がこぼれてもすぐに拭き取れる塩化ビニール樹脂(PVC)が選ばれることが多いです。そしてトイレやパウダールームの内装材は、湿気がこもりやすいため防カビ性のある素材がおすすめです。フラットで凹凸の少ない表面や汚れが目立ちにくい色・デザインを採用することで、清潔な状態を保ちやすくなります。
店舗の内装では雰囲気やデザインも大切ですが、メンテナンス性も重要です。清掃が難しい素材やデザインを選んでしまうと、長期的な運営において衛生管理が困難になる可能性があります。見た目だけでなく、機能性や耐久性を考慮した素材選びを行いましょう。
まとめ
店舗内装工事には、様々な工事内容が含まれます。具体的な工事内容を知っておくことで、ぜひ素敵な店舗計画に活かしてみましょう。ただし実際の工事ではそれぞれ工事内容が異なる場合があるため、正確な内容については専門業者に見積もり依頼を行うのがおすすめです。